こんにちは。
スーパースタイリスト・スーツ伯爵です。
今回、わたくしは、カッコよくスーツを着こなすには、どうすればよいのか困っている方に「スーツの着こなし方」を知ってもらうべく、その極意を記事にすることにしました。
実は、スーツの着こなしには、世界中どこにいっても通用する「世界基準のルール」があるのです。
「自分は、外国人と仕事をする機会がないから関係ない」という方もいるかもしれません。
でも、スーツの着こなし方にルールがあるのは、日本の着物や浴衣に着こなし方があるのと同じことです。
着物の足元がソックスだったり、浴衣にロングブーツを合わせたりしたら、やっぱり奇妙です。
それを見て不快に思う人もいるかもしれません。
服装とは、相手やその場に対して敬意を払うためのもの。
仕事でもプライベートでも、大切な人と会ったり、特別な場所に行ったりするときにはキチンとした服装をしなくてはなりません。
そのため、(社会人にとっては特にそうですが)スーツをカッコよく着こなすための世界基準のルールを知っておくのは大切なことです。
ここでは、意外と知らない「スーツの正しい着方」や、ネクタイ、シューズなど小物の選び方など、誰でもスーツをカッコよく着こなすための知識について、分かりやすく説明していきます。
着こなしの参考となるような写真も用意しているので、ぜひご覧になって参考にしてみてください!
では、はじめます。
スーツのサイズを着こなす
スーツを着こなすために、一番大切なことは、自分のサイズにあったスーツを選ぶことなのだ。
スーツはジャストサイズのものを着た時に、身体のラインがきれいに出て、最もカッコよく見えるように作られているのだぞ。
肩のサイズが大きすぎたり、袖が長すぎたり、ブカブカのスーツを着ているとだらしない印象に見えてしまいます。
反対に、ピチピチではち切れそうなスーツも、レオタードみたいでおかしいですよね。
先ずは、スーツとシャツのサイズの合わせ方についてお伝えします。
スーツのサイズを合わせる
正しいサイズのスーツは、まるで「第二の皮膚」のように、身体を美しく包み込んでくれます。
ここでは、そんな正しいサイズのスーツを選ぶ方法について説明します。
ちなみに「スーツは人間の第二の皮膚である。」と言ったのは、イタリアの超高級スーツブランドであるブリオーニの元CEOウンベルト・アンジェローニなのだ。
ピッタリのサイズのスーツのジャケットは、肩の縫い目が肩の端にきます。
そこからスーツは、腕に沿って下に落ちていきます。
正しいサイズのジャケットの肩には、くぼみやシワがはいりません。
また、肩が引っ張られることもありません。
そんなジャケットを選びましょう。
いかり肩だったり、なで肩だったり、肩の形は人それぞれですが、たとえどんな肩の形でも、ジャケットのサイズの合わせ方は変わりません。
袖の長さを合わせる
正しいサイズのジャケットの袖からは、シャツが1.5cmくらいでます。
これは一般的なガイドラインなので、正確に1.5cmである必要はありません。
しかし、少なくともスーツの袖で、シャツの袖が完全に隠れない長さである必要があります。
また、シャツの袖と袖口(カフ)の縫い目が見えてはいけません。
着丈を合わせる
流行に左右されるところではありますが、着丈はお尻がギリギリ隠れるくらいの長さが一般的です。
短い場合でもお尻が8割くらい隠れる長さが必要です。
胸まわりを合わせる
ジャケットの胸まわりボタンを閉めて、ジャケットの胸にこぶしが入るくらいの余裕があるものがジャストサイズ。
最近流行しているタイトなシルエットのスーツでも同様です。
パンツ丈を合わせる
パンツ丈は、裾がシューズに当たって、くの字に軽く曲がる(ハーフクッションと言います)長さを目安にしましょう。
シャツのサイズを合わせる
正しいサイズのシャツであれば、シャツの肩の部分は肩の縁にあり、肩や腕を快適に動かすことができます。
シャツが小さすぎれば首の方に、大きすぎれば腕の方に、肩の位置が寄ってしまいます。
そのため、余計なシワができたり、ブカブカになったりします。
首まわりのサイズを合わせる
フィットしているシャツの襟は、あなたの顔をきれいに見せてくれます。
反対に、首まわりが小さすぎたり、大きすぎたりするシャツを着ていると、かなりヘンテコな印象になってしまいます。
そのため、シャツのサイズを選ぶときには、首まわりに細心の注意を払いましょう。
選び方の目安は、首まわりの実寸に2cmプラスしたサイズです。
一番上までボタンを閉めた時に、指が二本入るくらい余裕があるサイズです。
シャツの袖の長さを合わせる
正しいサイズのシャツの袖は、手首の骨を隠すくらいの長さです。
手首の骨が完全に見えていたら短すぎるし、袖が手のひらまで隠していたら長すぎます。
また、ジャケットを着た時に、ジャケットの袖の端から1.5cmくらいカフ(シャツの袖口)が見えるのがちょうどいいサイズです。
胸まわり・胴まわりを合わせる
胸まわり、胴まわりが小さすぎるシャツは、ボタンをとめるとボタンホール周辺にしわがでてしまいます。
肩の縫い目が引っ張られる感じになります。
反対に、サイズが大きすぎると、腰または胸の周りにしわが出やすくなります。
もちろん、ちょうどいいサイズのシャツを着ていても、自然にしわが出ることはありますが、それは不自然なしわではありません。
スーツの色を着こなす
ビジネスシーンでスーツを着る場合、色はネイビーもしくは、グレーがオススメです。
信頼感を表すネイビーはまず揃えたい色です。
ネイビーと並んでオススメの色はグレーです。
ネイビーでも、グレーでも色が濃くなるほどフォーマル度が増します。
明るい色は軽快な印象になりますが、カジュアルになります。
ブラックスーツはフォーマル用
最近では、一部の人がビジネス用に着ていますが、ブラックスーツは、本来冠婚葬祭やフォーマルな場面で使うもの。
フォーマル過ぎてしまうので、ビジネスでは避けたほうがよいでしょう。
スーツとシューズの色の合わせ方
黒の靴 | 茶色の靴 |
|
ダークグレーのスーツ | ○ | × |
ライトグレーのスーツ | ○ | ○ |
ネイビーのスーツ | ○ | ○ |
ブラウンのスーツ | × | ○ |
○:相性の良い組み合わせ
×:相性の悪い組み合わせ
「黒の靴なら、どんな色のスーツにも合わせられる。」と思っている方はいませんか?
実は、そうではありません。
黒の靴が似合わないスーツもあるのです。
ブラウンのスーツがそうです。
その他にも、ダークグレーのスーツと茶色の靴は相性が悪いなど、スーツと靴の組み合わせについてまとめました。
詳しくは、上のイラストと表を参考にしてみてください。
スーツと小物の色の合わせ方の例
ネイビー系スーツの着こなし例
グレーに並んで、定番なのが、ネイビーのスーツです。
社会人にとって、頼りになるネイビーのスーツは、必要不可欠なアイテムです。
オフィスではもちろん、
そのための着こなし例をみてみましょう。
ドットのネクタイならどこに行っても恥ずかしくない
ネイビースーツにホワイトのシャツと場所を選ばないドット(水玉)のネクタイ。
知的な印象を演出には最強の組み合わせ。
ブルー系のレジメンタルのネクタイで涼し気に
ネイビースーツに薄いブルーのシャツ。
そして、ブルーのレジメンタルの組み合わせで涼し気な雰囲気に。
ちなみに、レジメンタルのネクタイは、正面から見て右がりのストライプがイギリス式。
イギリス式とは逆に、正面から見て左上がりのストライプが「アメリカ式」なのだ。
無難なホワイトのシャツだからこそ溢れるデキる男感
ネイビーのシングルスーツにホワイトのシャツ。
保守的な得意先には、無難な組み合わせを選ぶことが正解の場合もあります。
オーソドックスを保持したまま崩す
ネイビーのシングルスーツに、ホワイトのシャツとブラックのソリッドタイ。
オーソドックスな組み合わせを、ブラウンのオックスフォードシューズとバッグで上手に崩しています。
信頼できるダークネイビースーツを持つ
信頼できるダークネイビースーツを持つことはとても大切なこと。
なぜなら、ダークネイビースーツは、ビジネスシーンはもちろん、気の利いたレストランや雰囲気のよいバーに行くにも間違いない選択だからです。
グレースーツ着こなし例
ネイビーと並んでスーツの基本色といわれるグレー。
落ち着いてシックな印象を与えてくれます。
そのため、グレースーツは、必要以上に主張せず、多くの色と相性がよく、コーディネートしやすいのです。
グレーとブルーで誠実に知的に
グレー系のスーツに、ブルーのシャツ、そしてネクタイは濃紺の小紋をチョイス。
若々しさの中にも、誠実で落ち着いた印象を与えるコーディネートは、若手のビジネスマンにオススメ。
ストライプのシャツと相性がいいのは・・・
ストライプのシャツと相性がいいのは、無地のタイ、もしくはドットや小紋。
ホワイトのシャツを組み合わせて、シャープで清潔感あふれる印象を演出。
さわやか路線でせめよう
軽やかなライトグレーのスーツに映えるネクタイの紺。
爽やかで若々しいイメージに。
エネルギッシュにいくなら赤系ネクタイをチョイス
落ち着いて控え目な印象のグレーのスーツ。
赤系のネクタイをいれることで、力強く、情熱的な印象を与えることができます。
大切なプレゼンの時などにオススメのコーディネートです。
ノッチラペルには細めのネクタイを選択
イタリア生まれの細い襟の、ノッチラペル。
モダンでおしゃれな雰囲気です。
ノッチラペルには、細めのネクタイをチョイスするのが鉄板。
グレースーツにブルーのクレリックシャツ
クレリックシャツは、遊び心がありますが、イギリスの伝統的なデザインのシャツのひとつです。
ビジネスシーンで選択しても心配ありません。
ちなみに、クレリックとは「cleric」 と書いて「聖職者」という意味なのだ。
神父さんが着ていた服に似ていることからクレリックシャツを呼ばれるようになったのだぞ。
スーツを着こなす最善の方法はオーダースーツ
繰り返しになりますが、スーツをカッコよく着こなすためには、自分の身体にぴったりと合ったサイズのスーツを選ぶことが必要です。
でも、人の身体は千差万別。
既製品のスーツをそのままピッタリ着こなせる人はほとんどいません。
特にスポーツをやっていた人は、身長が普通でも、上半身が特に発達していたり、下半身が特に発達していたりで、サイズ合わせに苦労する場合も多いようです。
こんな時にどうすればいいのでしょうか?
既製品であればお直しします。
パンツの裾のお直しは、誰でもやったことがあるでしょう。
ウェストや袖の長さのお直しをした人もいるかもしれません。
でも、一番いいのは自分のサイズに合わせたスーツをオーダーで作ること。
これなら、ジャケットもパンツも全部ピッタリあなたの身体にフィットします。
そう、オーダースーツを作ることは、スーツを着こなす最善の方法なんです。
でも・・・、オーダースーツなんてメチャクチャ高いんじゃない??
そう思った人はいませんか?
確かにそんな時代もありました。でも、それは昭和の話。今は令和です。そんなことありません。ネットでオーダースーツをオーダーできちゃう時代です。
なんと29,800円で自分にピッタリのサイズのスーツを作れちゃう店舗とか、百貨店が運営している品質の高いショップもあります。一見の価値ありです。
この記事で、ネットオーダースーツのオススメ店舗をまとめているので、見てみてください。
スーツをカッコよく着こなすためのルールまとめ
いかがでしたか?
スーツをカッコよく着こなすには、その時々によって変わるトレンドだけを追いかけるのではなく、先ずは伝統を理解して、その上で個性を出していくことが必要です。
そのため今回は、スーツを着こなすうえで知っておきたい世界基準のルールについて確認してみました。
ルールというと少し堅苦しく感じてしまったかもしれませんが、要は正しいサイズの合わせかたと、色の使い方を知るだけです。
ひとまずこのルールを守ってから、自分なりの着こなしに挑戦してみましょう!